「持続化補助金で買う機械を、ローンで買ってもいいですか」「手元のお金が足りないけれど、補助金が決まれば何とかなりますか」というご質問を、熊本で創業したばかりの方や、設備を入れたい事業者の方からよくいただきます。どちらも、補助金がいつ・どういう形で入るのかを知っておくと答えが出ます。
この記事では、小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回の公募要領(第8版・2026年7月21日)と〈創業型〉第4回の公募要領(第8版・2026年5月27日)にもとづいて、ローン・分割払いの扱いと、自己資金が足りないときの考え方を整理します。銀行振込・現金・クレジットカードの支払いの決まり全体は、小規模事業者持続化補助金のページの「支払い方で対象外になりやすい点」にまとめています。
この記事のポイント
- ローンや分割払いで買い、補助事業期間内に払い終わらない場合は、その経費の全額が補助対象外になります
- 分割払いなどで、補助事業期間中に所有権が移らないものも補助対象外です
- 自己資金が足りないときは、金融機関から借りたお金で、売り手に期間内に一括で振り込む形にします。借入金の利息は補助対象外です
- 補助金は後払いです。補助金の額は実績報告の審査で決まり、交付決定の額より少なくなることもあるので、返済の計画は控えめに立てます
- 補助金で買った単価50万円(税抜き)以上の設備を、借入の担保に入れるときは事務局の承認が要ります
ローン・分割払いで買うとどうなるか

ローンや分割払いで買い、補助事業期間内に払い終わらない場合は、その経費は全額が補助対象外になります。公募要領は、補助対象外の経費として「補助事業期間内に支出が完了していないもの」を挙げ、分割払いやクレジットカード決済、リボルビング払いの場合は、金融機関などからの引き落としが補助事業期間内に終わっている必要がある、としています。
補助事業の手引きはさらに具体的で、「リボ払い等の分割払いでの支払いは、事業実施期間内に完済されないと、全額が補助対象外となります」「リボ払い・分割払い等で所有権が補助事業期間中に移転しないものは補助対象外となります」と書いています。払い終わった分だけが対象になるのではなく、払い残しがあれば全部が外れる、という点に注意してください。
第20回(通常枠)と創業型第4回の補助事業実施期間は、どちらも交付決定日から2028年3月31日(金)までです。月々の支払いが何年も続くローンは、この期間内に払い終わらないので、補助金で買う設備には使えません。
| 買い方 | 補助の対象になるか |
|---|---|
| 期間内に銀行振込で一括払い | 対象になる |
| クレジットカードの分割払い(期間内に引き落としが全部終わる) | 対象になる |
| ローン・分割払いで、期間の後も支払いが続く | 全額が対象外 |
| 1取引10万円(税抜き)を超える現金払い | 対象外 |
リースで導入する場合

機械を買わずにリースで導入する場合は、経費の区分が「借料」になり、補助の対象になるのは補助事業期間中のリース料だけです。公募要領は、借料を補助事業に直接必要な機器・設備のリース料・レンタル料とし、契約期間が補助事業期間を越える場合は、按分などで出した補助事業期間分だけが対象になる、としています。
つまり、リースにしても機械の代金全体に補助が付くわけではありません。補助事業のほかにも使うもの、通常の生産活動に使うものは対象外です。買うかリースにするかは、補助の額だけでなく、期間が終わったあとの支払いも含めて比べて決めます。
自己資金が足りないときは、借りて一括で払う

手元のお金が足りないときは、金融機関から借りたお金で、売り手に期間内に一括で振り込む形にします。公募要領が求めているのは、補助事業期間内に、補助事業者から売り手へ、原則として銀行振込で支払いを終えることです。支払いに使うお金をどこから用意するかの決まりはないので、借りたお金で振り込む場合も、自社の口座から売り手へ振り込んだことが通帳などで分かるようにしておきます。
ただし、借入金の支払利息と遅延損害金は補助対象外です。また、補助金は事業が終わってからの後払いです。交付規程は、補助金は交付すべき額を確定したあとに支払う、と定めていて、流れは「交付決定→補助事業の実施→実績報告→確定検査・補助金額の確定→請求→入金」です。補助金が入るまでの間は、借りたお金と自己資金で支払いをまかなうことになります。
- 採択のあと、見積書などを出して交付決定を受ける
- 交付決定のあとに発注し、借りたお金と自己資金で、期間内に一括で振り込む
- 補助事業を終えて実績報告を出す
- 補助金の額が確定したら精算払いを請求し、入金を受ける
- 入った補助金を、借入の返済にあてる
つなぎ融資を相談するときに知っておくこと

補助金が入るまでの資金を借りられるかどうかは、金融機関がそれぞれの事業者の状況を見て決めることで、交付決定を受けたからといって必ず借りられるわけではありません。相談するときは、交付決定通知書の写しを持って行き、何をいくらで買い、補助金がいくら入る予定かを示すと話が進めやすくなります。補助金を予定していることは、できるだけ早い段階から伝えておきます。
返済の計画は、補助金の額が減る場合も考えて立てます。公募要領には、実績報告のときに要件を満たしていると認められない場合は、交付決定通知書に書いた額より少なくなることがある(交付決定の取消しを含む)と書かれています。当法人では、補助金の入金をあてにしすぎず、自己負担の分を返していける計画になっているかを、申請の前に一緒に確かめるようにしています。
補助金で買った設備を担保に入れるとき

補助金で買った単価50万円(税抜き)以上の機械装置などは「処分制限財産」になり、補助金を受け取ったあとも一定の期間、目的外の使用・譲渡・担保提供・廃棄などが制限されます。借入の担保に入れることも、この「処分」にあたります。
交付規程は、処分制限財産に抵当権などの担保権を設定することを「担保に供する処分」とし、処分制限期間内に処分するときは、あらかじめ取得財産の処分承認申請書を出して承認を受けなければならない、と定めています。承認を受けずに処分すると、交付規程違反として交付取消し・返還命令(加算金付き)の対象になります。借入の条件として設備を担保に求められたときは、先に事務局の承認の手続きを考えておきます。
よくある質問

頭金だけ払って、残りをローンにしてもいいですか?
補助事業期間内に残りまで払い終わらないのであれば、その経費は全額が補助対象外です。頭金の分だけが対象になるわけではありません。
借入の利息も補助の対象になりますか?
なりません。公募要領は、借入金などの支払利息と遅延損害金を補助対象外の経費に挙げています。
熊本地震の災害支援枠でも同じですか?
同じです。災害支援枠(令和8年熊本地震)第2次公募の公募要領(第3版)にも、補助事業期間内に支出が完了していないもの(分割払いなど)は対象外、支払いは銀行振込が大原則、補助金は後払い、と書かれています。第2次公募の補助事業実施期限は令和10年1月31日です。
出典・参考
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回公募 公募要領 第8版(商工会議所地区)
- 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉第4回公募 公募要領 第8版
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉補助事業の手引き(第19回受付締切分・第3版)
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉交付規程(商工会議所地区)
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回 申請時によくあるご質問
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 災害支援枠(令和8年熊本地震)〉第2次公募 公募要領 第3版
まとめ
持続化補助金で買う設備を、ローンや分割払いで買い、補助事業期間内に払い終わらない場合は、全額が補助対象外になります。所有権が期間中に移らない買い方も対象外です。リースにすると、対象になるのは期間中のリース料だけです。
自己資金が足りないときは、金融機関から借りたお金で、期間内に一括で振り込みます。補助金は後払いで、額が減ることもあるので、返済の計画は控えめに立て、設備を担保に入れるときは事務局の承認を先に考えておきます。
ご相談はこちら
ノーサイド行政書士法人は、熊本の補助金申請を支援している行政書士法人です(経済産業省の認定経営革新等支援機関)。買いたい設備の見積と、手元の資金・借入の予定をお持ちいただければ、補助金を使う場合の支払いの段取りと資金の流れを一緒に整理します。
