令和8年熊本地震で店舗や設備が被害を受けた方、売上が落ち込んだ熊本県の小規模事業者の方に向けて、「小規模事業者持続化補助金<一般型 災害支援枠(令和8年熊本地震)>」をまとめました。事務局が令和8年9月16日に公開した公募要領(第2版)と「申請時によくあるご質問」をもとに、対象になる方、補助上限と補助率、対象になる経費、申請の流れを順番に説明します。
1次公募の申請受付締切は令和8年10月16日(金)です。その前の10月9日(金)が、商工会・商工会議所に「支援機関確認書(様式3)」の発行を頼める最後の日なので、実際の準備の締切はこちらだと考えてください。この記事は令和8年9月24日時点の公募要領にもとづいています。
この記事のポイント
- 補助上限は、事業用資産に損壊などの直接被害があった事業者が200万円、売上減少の間接被害があった事業者が100万円です。両方の被害があっても上限は200万円です
- 補助率は補助対象経費の3分の2以内です。一定の要件をすべて満たす事業者だけ、定額になります
- 特例として、令和8年熊本地震で被災した日以降、交付決定の前に使った経費も、見積書などで適正と認められれば対象になります
- 被害の証明として、罹災(被災)証明書などの公的書類が必要です
- 商工会地区と商工会議所地区で窓口が違います。まず自分がどちらの地区かを確かめてください
災害支援枠はどんな補助金か
災害支援枠は、令和8年熊本地震で被害を受けた熊本県の小規模事業者が、事業を立て直すための取組にかかる経費の一部を補助するものです。機械装置などの復旧や、販路の立て直しといった取組が対象になります。
ポイントは、事業者自身が「事業再建に向けた経営計画」を作り、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む補助金だという点です。公募要領には、事業再建と関係のない復旧・買換えの費用を補助するものではないこと、事業の完了後おおむね1年以内に売上につながる取組であることが書かれています。ただし、損壊などの被害を受けた事業用資産の取替え・買換えは対象になります。
対象になる事業者
対象になるのは、熊本県に所在し、令和8年熊本地震で被害を受けた小規模事業者です。被害は、次のどちらかを公的な書類で示します。
| 被害の区分 | 内容 | 証明する書類の例 | 補助上限 |
|---|---|---|---|
| 直接被害 | 自社の事業用資産に損壊などの直接的な被害があった | 市町村が発行する罹災(被災)証明書など | 200万円 |
| 間接被害 | 地震に起因して売上が減少した(令和8年7月から9月の任意の1か月の売上高が、前年同期と比べて20%以上減少) | セーフティネット保証4号の認定書、地方自治体が独自に発行した証明書など | 100万円 |
在庫や棚卸資産の損害は「事業用資産の損壊等」にはあたらない、と公募要領に書かれています。テナントとして入っている方は、建物の所有者の罹災(被災)証明書などの写しと賃貸借契約書の写しで申請できます(ご自身の名義で証明書を受けていれば、そちらで足ります)。
「所在する」とは、補助を受けて事業再建に取り組む事業所(店舗・工場・事務所など)が被災地域にあるという意味です。登記上の本店が熊本県外でも、熊本県内の支店などで再建に取り組むなら対象になり得ます。
小規模事業者の従業員数の基準
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
建設業や運送業のように区分に当てはめにくい業種は「その他」として、20人以下の基準を使います。会社の役員や同居の親族従業員は、従業員の数に含めません。医師・歯科医師、一般社団法人、医療法人などは対象外です。また、令和8年熊本地震の発生時点で事業を始めていなかった創業予定の方も対象外です。
補助上限と補助率
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 直接被害 200万円/間接被害 100万円 |
| 補助率 | 補助対象経費の3分の2以内 |
| 定額になる場合 | 直接被害を受けた事業者のうち、公募要領に定める要件をすべて満たす場合 |
直接被害と間接被害の両方を受けていても、上限を足して300万円になるわけではありません。上限は200万円で、申請はどちらか一方の被害で行います。
定額になる要件は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたこと、過去10か年度以内の激甚指定災害で被害を受けて国などの支援を活用したこと、などが組み合わさった5つです。当てはまるかどうかは証明書類がそろうかで決まるので、該当しそうな方は過去の罹災証明書や補助金の交付決定通知を手元に用意してください。
対象になる経費
対象になる経費は、次の11種類です。
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費(オンラインの展示会・商談会を含む)
- 旅費
- 新商品開発費
- 借料
- 設備処分費
- 修繕費
- 委託・外注費
- 車両購入費(事業に使っていた車両が被災した場合に限る)
公募要領には、取組の例として、陳列棚や什器の購入、チラシやパンフレットの制作、ネット販売・予約システムの導入、店舗や倉庫・機械の破損の修繕や買替え、店舗の改装などが挙げられています。不動産の購入・取得にあたるものは対象外です。
被災した日以降の経費は、さかのぼって対象になる
通常の持続化補助金は、交付決定の日より前に発注・契約・支払いをした経費は対象になりません。災害支援枠では特例として、令和8年熊本地震で被災した日以降、交付決定の前に行った事業の経費も、写真や書類で確認でき、適正と認められれば、さかのぼって対象になります。よくあるご質問では、発災日(令和8年7月28日)以降に発注・契約していることが分かる証拠書類が要るとされています。
さかのぼって申請する経費には、その時に取った見積書(相見積を含む)が必要です。見積書を取っていなかった場合や、1取引10万円(税抜)を超える支払いを現金でしていた場合は、窓口に相談するよう案内されています。これから復旧を進める方は、見積書を取ってから発注し、支払いは銀行振込にしておくと安全です。
対象にならないもの・注意がいるもの
- 在庫や棚卸資産の損害
- 建設業の方が、被災した自社の事務所を自社で修繕する費用(よくあるご質問で対象外とされています)
- 車両は、事業者名義の自動車が被災していることが条件です。被災した車両の買換えにあたらない新規購入は対象外です
- 単価50万円(税抜)以上の機械装置などは「処分制限財産」になり、補助事業が終わったあとも一定の期間は、勝手に売ったり廃棄したりできません
申請の流れとスケジュール
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 令和8年9月9日(水) | 公募要領の公開 |
| 令和8年9月16日(水) | 申請受付の開始 |
| 令和8年10月9日(金) | 支援機関確認書(様式3)の発行受付の締切 |
| 令和8年10月16日(金) | 申請受付の締切(郵送は当日消印有効、電子申請は17時まで) |
| 令和8年11月頃 | 採択発表(予定) |
| 令和9年9月30日(木) | 見積書等の提出期限 |
| 令和9年10月31日(日) | 補助事業の実施期限 |
流れは、罹災(被災)証明書などを市町村で出してもらう、経営計画書(様式2)を作る、商工会・商工会議所に支援機関確認書(様式3)を発行してもらう、事務局へ申請する、という順番です。採択されたら、交付決定までに見積書(相見積を含む)を出し、交付決定のあとに事業を進め、終わったら実績報告書と証拠書類を出して、補助金が支払われます。
支援機関確認書(様式3)は、10月9日を過ぎるとどんな理由があっても発行してもらえません。申請は郵送と電子申請(Jグランツ)のどちらでもできます。電子申請には「GビズIDプライム」のアカウントが要り、取得に数週間かかることがあるので、まだの方は郵送も考えておいてください。
商工会地区と商工会議所地区で窓口が違う
災害支援枠は、事業をしている場所が商工会の地区か商工会議所の地区かで、事務局も問い合わせ先も分かれています。申請書類の出し先を間違えると受け付けてもらえないので、最初に確かめてください。
- 商工会地区の方:商工会地区の災害支援枠(令和8年熊本地震)のページ
- 商工会議所地区の方:商工会議所地区の災害支援枠(令和8年熊本地震)のページ
どちらの地区にあたるかは、商工会検索サイトと商工会議所検索サイトで調べられます。
くまもと事業者再出発支援補助金との関係
令和8年熊本地震では、熊本県の「くまもと事業者再出発支援補助金」も使えます。よくあるご質問では、再出発支援補助金などでは対象にならない事業再建の経費のように、対象経費が異なれば重複して申請・採択を受けられるとされています。同じ経費を2つの補助金に出すことはできません。
たとえば、被災した建物や設備の復旧は再出発支援補助金で、チラシやホームページで客足を取り戻す取組は災害支援枠で、というように経費を分けて考えるのが基本です。再出発支援補助金の中身は、くまもと事業者再出発支援補助金の記事で説明しています。
また、一般型の通常枠や創業型とも同時に申請できますが、同じ補助事業の内容を同時に申請することはできません。
申請の前に知っておきたいこと
- 審査があり、不採択になることがあります。採択されても、予算の都合などで希望額から減ることがあります
- 補助金は後払いです。いったんは自己資金などで支払う必要があります
- 経営計画は、事業者自身が検討して作るものです。自分で検討した形跡が見られない場合は、評価に関わらず不採択や交付決定の取消になると書かれています
- 商工会・商工会議所以外の第三者から支援を受けた場合は、経営計画書(様式2)に、その相手と支援にかかる金額(着手金・成功報酬などの名目を問わず)を書く必要があります。書かなかった場合は虚偽の報告として扱われます
- 過去に持続化補助金(一般型・創業型など)で補助事業をした方は、様式第14(事業効果及び賃金引上げ等状況報告書)を出していないと対象外になります(提出期限がまだ来ていない場合を除きます)
当法人のサポートと費用
当法人では、罹災(被災)証明書などの書類の確認から、経営計画書(様式2)づくりのお手伝い、申請、採択後の見積書の準備、実績報告までを一緒に進めます。経営計画は事業者ご自身の計画として作るものなので、当法人はお話をうかがって、考えを整理し、書類の形にするところを担当します。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 着手金 | 55,000円(税込) |
| 成功報酬(採択時) | 補助金額の10%+税 |
| 実績報告の支援 | 補助金額の5%+税 |
たとえば補助金額が200万円の場合、成功報酬は22万円、実績報告の支援は11万円(いずれも税込)です。当法人の報酬は、公募要領のとおり経営計画書(様式2)の第三者支援の欄に記載していただきます。
出典・参考
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 災害支援枠(令和8年熊本地震)>(商工会議所地区)
- 1次公募 公募要領(第2版)令和8年9月16日
- 申請時によくあるご質問(1次公募用)
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 災害支援枠(令和8年熊本地震)>(商工会地区)
まとめ
持続化補助金の災害支援枠は、熊本地震で被害を受けた熊本県の小規模事業者が、事業の立て直しに使える補助金です。直接被害なら上限200万円、間接被害なら上限100万円で、補助率は3分の2以内です。被災した日以降に使った経費も、見積書などがそろえばさかのぼって対象になります。
1次公募は10月16日(金)が締切ですが、支援機関確認書(様式3)の発行受付は10月9日(金)までです。罹災(被災)証明書の取得と経営計画書づくりには時間がかかるので、使うかどうか迷っている方も、早めに準備を始めてください。
ご相談はこちら
ノーサイド行政書士法人は、熊本の補助金申請を支援している行政書士法人です(経済産業省の認定経営革新等支援機関)。災害支援枠の申請や、再出発支援補助金との使い分けのご相談は、お問い合わせフォームまたは公式LINEからどうぞ。
