持続化補助金を申請する法人は、直近1期分の貸借対照表と損益計算書を出します。このとき「損益計算書の販売費及び一般管理費(販管費)が、科目ごとではなく1行の合計だけになっているが大丈夫か」というご質問をいただきます。熊本で持続化補助金の申請を準備している法人の方に向けて、公募要領と決算書の書き方の決まりから整理しました。
結論から言うと、販管費が1行の決算書そのものは誤りではありません。ただ、公募要領は必要に応じて追加の資料と説明を求めることがあると定めており、1行だけでは中身が読めないので、内訳を求められることがあります。申請の前に販管費の内訳を用意しておくのが確実です。
この記事のポイント
- 法人は、直近1期分の貸借対照表と損益計算書を出します(持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回の公募要領)
- 会社計算規則では、損益計算書は「販売費及び一般管理費」の区分で表示すればよく、細かく分けるのは「適当な場合」にできる、という決まりです
- 公募要領には、必要に応じて追加資料の提出と説明を求めることがある、と書かれています
- 販管費が1行だと中身が読めないため、内訳を求められることがあります。先に用意しておけば慌てずに済みます
申請で出す決算書類

第20回の公募要領では、申請者が必ず出す書類のうち、決算に関わるものは次のとおりです。
| 区分 | 出すもの |
|---|---|
| 法人 | 貸借対照表および損益計算書(直近1期分)の写し。損益計算書がない場合は、確定申告書(表紙と別表四)の写し |
| 個人事業主 | 直近の確定申告書(第一表・第二表と、収支内訳書(1・2面)または所得税青色申告決算書(1〜4面))の写し |
| 決算期を一度も迎えていない | 法人は売上台帳などと現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書。個人事業主は開業届と売上台帳など |
ファイル名も「貸借対照表(事業者名)」「損益計算書(事業者名)」のように決められています。
販管費が1行の決算書は誤りではない

会社の損益計算書の書き方は、会社計算規則(法務省令)で決められています。第88条は、損益計算書を売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、営業外収益、営業外費用、特別利益、特別損失の項目に区分して表示するとしたうえで、「各項目について細分することが適当な場合には、適当な項目に細分することができる」と定めています。
つまり、販管費を1行の合計で表示した損益計算書も、法律上の書き方として誤りではありません。決算書によっては、損益計算書では販管費を1行にして、内訳を別の明細(販売費及び一般管理費の内訳)にまとめていることがあります。
それでも内訳を用意しておく理由

公募要領は、提出資料について「必要に応じて追加資料の提出および説明を求めることがあります」と定めています。販管費が1行だと、人件費、広告宣伝費、地代家賃などがいくらかが読めません。持続化補助金は販路開拓の取組を支援するもので、経営計画では自社の経営状況を分析して書くことが審査の最初の観点になっているため、費用の中身が分からない決算書だと内訳を求められることがあります。
求められてから税理士に頼むと、書類をそろえるのに日数がかかります。持続化補助金の採択審査は出した資料だけで行い、内容についてのヒアリングはしない、と公募要領に書かれています。あとから説明する機会は限られていると考えて、最初から読める形で出すのが確実です。
当法人では、法人の決算書をお預かりしたら、まず販管費の表示を見ます。1行の合計だけなら、税理士の事務所で作っている販売費及び一般管理費の内訳(明細)を一緒にもらい、損益計算書とあわせて出せるように準備します。
よくある質問
決算書を作り直さないといけませんか?
作り直す必要はありません。販管費を1行で表示した損益計算書は、会社計算規則の決まりにそった書き方です。用意するのは、販管費の内訳が分かる明細です。
個人事業主も同じですか?
個人事業主は、決算書ではなく確定申告書(第一表・第二表)と、収支内訳書または所得税青色申告決算書を出します。法人の損益計算書とは出すものが違います。
決算期をまだ迎えていない法人はどうしますか?
決算期を一度も迎えていない法人は、貸借対照表と損益計算書の代わりに、開業以降に売上が発生していることが分かる売上台帳など(任意の書式)と、現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(申請書の提出日から3か月以内の原本)を出します。
出典・参考
まとめ
持続化補助金の申請で法人が出すのは、直近1期分の貸借対照表と損益計算書です。販管費を1行にまとめた損益計算書は、会社計算規則の決まりにそった書き方で、それ自体は誤りではありません。
ただ、公募要領は必要に応じて追加の資料と説明を求めることがあると定めており、販管費の中身が読めないと内訳を求められることがあります。申請の前に販管費の内訳を税理士からもらって、決算書とあわせて用意しておきましょう。
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ノーサイド行政書士法人は、熊本の補助金申請を支援している行政書士法人です(経済産業省の認定経営革新等支援機関)。決算書をお預かりして、申請に出す書類がそろっているかを一緒に確かめます。
