持続化補助金で機械や工事を発注するとき、「相見積を取ってください」と言われます。ところが、扱っている業者がほかに無い、メーカーが直販しかしていない、といった理由で、もう一つの業者から見積が取れないことがあります。
この記事では、第20回公募(一般型 通常枠)の公募要領にもとづいて、相見積が要る場面、取れないときの理由書、理由書が使えない中古品の扱いを説明します。あわせて、クラウドファンディングで設備を手に入れる場合の考え方もまとめました。
この記事のポイント
- 第20回では、1つの発注の総額が50万円超(税込)のものは、2者以上から見積を取り、安いほうに発注します
- 見積を取ることが難しい場合は、随意契約の理由書を、採択発表後から交付決定までに出します
- 中古品は金額に関わらず2者以上の中古品販売事業者の見積が必須で、理由書での購入は一切認められません
- クラウドファンディングで発生する手数料や返礼品は対象外です。支援の形で設備を手に入れる計画は、補助金の経費には入れないほうが安全です
相見積が要るのは「1つの発注が50万円超(税込)」

第20回の公募要領は、発注先を選ぶとき、1つの発注の総額が50万円超(税込)のものは2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選ぶよう求めています。機械装置等費の説明にも、同じ金額で相見積が必要と書かれています。
相見積が要らない金額でも、見積書そのものは要ります。採択発表後から交付決定までに、計上したすべての経費について、価格の妥当性を示す見積書等(相見積を含む)を出すことになっているからです。第20回の見積書の提出期限は2028年2月29日で、それまでに出さないと採択が取り消されます。
なお、第19回の補助事業の手引きでは、相見積が要るのは「発注総額が税込100万円を超える」場合でした。第20回は金額の基準が下がっているので、前の回の資料で判断しないでください。
相見積が取れないときは「理由書」を出す

公募要領は、発注する事業内容の性質上、見積を取ることが困難な場合は、その企業を随意契約の対象とする理由書を、採択発表後から交付決定までに出すよう定めています。相見積が取れないからといって、すぐに対象外になるわけではありません。
ただし、相見積は価格の妥当性を確かめるためのものです。公募要領は、金額が市場価格から著しく離れているなど、社会通念上、価格が妥当でないと判断される経費は対象外としています。理由書には、なぜその業者でなければならないのか、ほかに同じ物を出せる相手がいないのかを、具体的に書く必要があります。
当法人では、理由書に頼る前に、まず同じ性能の別の機種や、別の販売店から見積が取れないかを当たるようにしています。「メーカーの直販しかない」と思っていても、代理店や同等品で、もう一つの見積が取れることがあるためです。
中古品は理由書では買えない

中古品は扱いが別です。公募要領は、中古品の購入を次の条件をすべて満たす場合だけ対象にしています。
- 購入単価が50万円(税抜き)未満であること。単価50万円(税抜き)以上の中古品を、50万円未満になるように分けて買うと、その中古品全体が対象外になります
- 2者以上の中古品販売事業者から、同等品の見積(見積書、価格表等)を取ること。購入金額に関わらず必要です
- 個人からの購入や、インターネットオークションを含むオークションでの購入ではないこと
さらに、中古品は「理由書の提出による随意契約での購入は、一切認められません」とされています。2者目の中古品販売事業者の見積が取れなければ、その中古品は補助の対象になりません。中古の機械を考えている方は、申請の前に2者から見積が取れるかを確かめておいてください。
相見積を取るときの注意

相見積は、補助事業者自身が別々の企業から取るよう求められています。発注先の業者に「ほかの業者の分の見積も用意してほしい」と頼むような取り方は、この趣旨に反します。
また、社内の役員・従業員、代表者や役員の3親等以内の親族、その親族が代表や役員を務める会社、親会社・子会社・関連会社への発注は、そもそも補助の対象外です。見積の金額が妥当でも、発注先によっては対象にならない点に気をつけてください。
クラウドファンディングで設備を手に入れる場合

公募要領は、補助対象外の経費として「クラウドファンディングで発生しうる手数料(返礼品、特典等を含む)」を挙げています。自社でクラウドファンディングをして、その手数料や支援者への返礼品の費用を補助金で出すことはできません。
逆に、他社のクラウドファンディングに支援して、返礼として設備を受け取るという形も考えられます。この場合、補助金で求められる見積、発注、納品、請求、支払いという流れの書類がそろいにくく、届く時期も補助事業の期間に収まるとは限りません。交付決定の前に支援金を払えば、交付決定前の支払いとして対象外になります。
こうした理由から、当法人では、クラウドファンディングで手に入れる設備は補助金の経費に入れず、販売店から通常の取引で買える物で計画を立てるようおすすめしています。
よくある質問
50万円以下の発注でも見積書は要りますか?
要ります。相見積が要らない金額でも、採択発表後から交付決定までに、計上したすべての経費について見積書等を出します。見積金額に複数の項目が含まれる場合は、その内訳も示します。
申請のときに相見積を出す必要がありますか?
第20回の公募要領では、見積書等(相見積を含む)を出すのは採択発表後から交付決定までです。ただし、申請する金額は見積をもとに決めるので、当法人では申請の前に見積を取っておくようおすすめしています。
理由書を出せば、相見積なしで必ず発注できますか?
そうとは限りません。理由書は「見積を取ることが困難な場合」に出すもので、価格が社会通念上妥当でないと判断されれば、その経費は対象外になります。中古品は、理由書を出しても見積が一つだけでは買えません。
出典・参考
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版・2026年7月21日)
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>補助事業の手引き(第19回受付締切分・第3版)
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>申請時によくあるご質問(第19回)
まとめ
第20回の持続化補助金では、1つの発注が50万円超(税込)なら相見積が要ります。どうしても取れないときは理由書を出しますが、価格が妥当であることが前提で、中古品には理由書が使えません。
クラウドファンディングの手数料や返礼品は対象外で、支援の形で設備を受け取る計画は書類と期間の面で無理が出やすくなります。補助金で買う物は、通常の取引で見積が取れる物から選ぶのが確実です。
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