持続化補助金は、申請してから機械を買えるようになるまでに時間がかかります。その間に、申請した機械が廃番になったり、値上がりしたりすることがあります。また、採択されたあとに出した見積書が「工事一式」だったために、内訳を出し直すよう求められることもよくあります。
この記事では、第20回公募(一般型 通常枠)の公募要領と交付規程にもとづいて、計画どおりに買えなくなったときの手続きと、見積書の内訳の考え方を説明します。
この記事のポイント
- 交付決定のあとに補助事業の内容や経費の配分を変えるときは、原則として事前に変更承認申請を出し、承認を受けてから発注します
- 経費区分の間で20%以内の流用や、補助の目的に関わらない軽微な変更は、承認が要りません
- 値上がりしても、補助金の額は交付決定の額より増えません
- 「一式」「等」「諸経費」のように内容が分からない見積は認められません。見積金額に複数の項目が含まれる場合は内訳を示します
申請から購入まで時間がかかる

第20回の申請受付の締切は2026年12月15日で、採択発表は2027年3月頃の予定です。交付決定は、採択後に詳しい見積書をすぐに出しても、採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があるとされています。
発注・契約ができるのは、交付決定通知書に書かれた交付決定日からです。採択通知だけでは発注できません。申請のときに取った見積から実際に発注するまでに半年近く空くこともあるので、その間に機種の入れ替えや値上がりが起きるのは珍しいことではありません。
交付決定のあとに変えるなら「変更承認申請」

交付規程は、補助事業者が次のどちらかに当たるときは、原則として、あらかじめ「補助事業の内容・経費の配分の変更承認申請書」(様式第4)を出して承認を受けなければならないと定めています。
- 補助対象経費の区分ごとに配分された額を変えるとき(各配分額の20%以内の流用増減を除く)
- 補助事業の内容を変えるとき(軽微な変更を除く)
第19回の補助事業の手引きでは、変更承認申請書と一緒に新しく取った見積書を出すこと、発注・契約の前に承認を受けること、承認されるまで変える事業を始められないことが説明されています。申請した機械が廃番で別の機種にする場合も、承認の前に新しい機種を発注しないでください。
公募要領は、補助事業計画に書いていない新しい費目の追加は原則として認めないとしています。「業務効率化(生産性向上)の取組」の経費は、変更承認で後から加えることはできません。
承認が要らない「軽微な変更」
第19回の補助事業の手引きは、次の2つの両方に当たる場合は変更承認申請が要らないとしています。
- 補助目的の達成に影響がなく、事業能率の低下をもたらさない、事業計画の軽微な変更であること
- 経費区分の間で経費を流用する場合、流用元・流用先の両方で、額の変動が20%以内であること
軽微な変更で、交付決定の前に出した見積と内容が違ったときは、その理由を実績報告書に書くよう求められています。同じメーカーの後継機に替えるだけでも、計画書に書いた機能や台数が変わるなら、当法人は軽微な変更とは考えず、承認申請を出す側で考えています。軽微かどうかは、交付決定を受けた計画書に何をどう書いたかで決まるので、計画書と新しい機種のカタログを並べて見ないと決められません。
値上がり・入荷遅れのとき

値上がりしても補助金は増えない
交付決定通知書には、交付すべき補助金の額は、認められた補助対象経費の3分の2(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は4分の3)と、交付決定で配分された補助金の額の、いずれか低い額とすることが書かれています。
つまり、機械が値上がりして支払いが増えても、補助金は交付決定の額が上限です。増えた分は自己負担になります。値上がりで計画そのものが成り立たなくなる場合は、計画の変更や、事業の中止の手続きを考えることになります。
期限は延ばせない
廃番で次の機種の入荷が遅れる、といった事情があっても、補助事業の実施期限は延ばせません。第19回のよくあるご質問は、実施期限までに事業が終わらない場合の延長について「いかなる場合においても延長はできません」と答えています。第20回の補助事業の実施期限は2028年3月31日です。
第19回の手引きには、地震など事業者の責任によらない事由で期限までに終わらない見込みのときに出す「事故報告書」の手続きがあります。ただし、「取引先の都合」「自身の都合」「申請時に周知の事実によるもの」では延長は認められず、延長も原則として最大1か月とされています。納期が読めない機械は、期限に余裕をもって発注できる時期かどうかを、申請の前に考えておく必要があります。
「工事一式」の見積は内訳を求められる

公募要領は、見積金額に複数の項目が含まれる場合はその内訳を示すよう求めています。第19回の補助事業の手引きは、さらにはっきりと、「一式」「等」「他」「諸経費」というような記載は認められないとしています。対象外の経費には「内訳が不明な経費(諸経費など)」も挙がっています。
内訳が無いと、どこまでが補助の対象になる工事で、どこからが対象外なのかを確かめられないためです。店舗の改装なら、たとえば解体、内装、電気、設備のように工種ごとに分け、それぞれの数量と金額が分かる見積を業者に作り直してもらいます。
内訳を作り直すときの注意
内訳を出し直すときは、合計が申請した金額と合うかを必ず確かめてください。値引きがある場合、値引き後の金額で合計がそろっていないと、申請の金額と見積の金額が合わなくなります。
第19回の手引きは、見積書に宛先、取引先、品名(サービス名)、数量、金額、日付が書かれていることを求めています。インターネットで買う物でも見積に当たる書類が要ります。宛先が補助事業者の名前になっているかも、出す前に見ておきます。
よくある質問

採択されたあと、交付決定の前に機種が変わりました。どうなりますか?
採択された段階では、申請した経費や金額がそのまま認められたわけではありません。第19回の手引きは、採択通知は補助対象経費や補助金交付希望額を承認するものではなく、見積書の確認を経て交付決定額が決まると説明しています。交付決定の前に見積書を出す段階で、申請時と違う機種であることが分かる形で出し、確認を受けることになります。
値上がりした分も補助の対象になりますか?
補助金の額は交付決定の額が上限なので、値上がり分の補助は増えません。経費区分の間で流用して埋めたい場合は、20%を超えれば変更承認申請が要ります。
変更承認申請はいつまでに出せばいいですか?
変える取引の発注・申込・契約の前です。承認には審査があり一定の期間がかかるので、変更が分かった時点ですぐに準備してください。
出典・参考
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版・2026年7月21日)
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>交付規程(2026年3月6日改定)
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>補助事業の手引き(第19回受付締切分・第3版)
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>申請時によくあるご質問(第19回)
まとめ
交付決定のあとに機械が廃番になったり、経費の配分を大きく変えたりするときは、発注の前に変更承認申請を出して承認を受けます。値上がりしても補助金は交付決定の額が上限で、実施期限も延ばせません。
見積書は「一式」ではなく、内訳と数量・金額が分かる形で出します。申請の前の見積の段階から、内訳のある見積を取っておくと、採択後の手戻りが少なくなります。
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