令和8年熊本地震で被災された皆さまへ

このたびの地震で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。事業の再建に使える補助金・融資の解説をまとめました。

補助金の事業計画書の書き方|採択されやすい計画と、不採択になる理由

持続化補助金の審査は、提出した書類だけで行われます。公募要領には「採択審査は非公開で提出資料により行います」とあり、提案内容についてのヒアリングもありません。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金には、必要に応じて口頭審査がありますが、その前の書面審査を通らなければ先へ進めません。どんなに良い事業でも、書類で伝わらなければ採択されません。この記事では、小規模事業者持続化補助金と、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の審査項目をもとに、事業計画書に何を書けばよいかを整理します。

この記事は、以前に別々の記事でご紹介していた「通りやすくなる事業計画書」「事業計画書に書いてはいけないこと」「不採択になる理由」「採択率を上げる加点」などを1本にまとめ、いまの公募要領にそって書き直したものです。

審査で見られること

審査の中身は補助金ごとに公募要領で公表されています。まずは、申請する補助金の審査項目を読むところから始めます。

持続化補助金の場合

持続化補助金では、はじめに「基礎審査」で、必要な書類がそろっているか、対象者・対象事業・対象経費の要件に合っているか、事業者が主体的に取り組む内容かが確かめられます。要件を満たさない場合は、その時点で失格です。そのうえで「計画審査」として、次の4つの観点で評価されます。

観点公募要領で問われていること(要旨)
自社の経営状況分析の妥当性自社の製品・サービス、強みや弱みを適切に把握しているか
経営方針・目標と今後のプランの適切性強み・弱み、市場(商圏)や顧客のニーズをふまえ、売上高・売上総利益の増加を目指すものか
補助事業計画の有効性具体的で客観的事実にもとづき、実現できる計画か。新たな価値を生み出す取組か。デジタル技術を活用しているか。取得した資産を事業終了後も使い続けるか
積算の透明・適切性事業に必要なものか。事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額か

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の場合

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の書面審査では、補助対象事業としての適格性、経営戦略との整合性、事業の実現可能性、新市場性・高付加価値性(新事業進出枠)、公的補助の必要性、政策面などが見られます。実現可能性のところでは、目標値の高さと実現性、補助事業をやり切れる体制、顧客ターゲットやニーズの裏付け、スケジュール、財務状況と資金調達の見込みまで問われます。公的補助の必要性では、国からの補助がなくても自社だけで容易にできる事業ではないか、という点も見られます。

事業計画書に書くこと(5つの順番)

審査項目を並べ直すと、事業計画書は次の順番で組み立てると伝わりやすくなります。

  1. 自社の今 どんな事業を、どんなお客様に、どれくらいの規模でしているか。強みと弱みは何か。数字(売上、利益、客数など)で示します。
  2. 市場とお客様 対象とする市場やお客様のニーズを、統計や調査などの客観的なデータで示します。「需要があると思う」ではなく、なぜそう言えるのかを書きます。
  3. 何に投資して、何をするか 補助金で買うもの・頼むものと、それを使って行う取組を、1対1で対応させて書きます。見積の金額と計画の中身が合っていることが大切です。
  4. その結果どうなるか 売上高や売上総利益(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では付加価値額や賃上げ)が、いつまでに、どれだけ増えるかを数字で書きます。その数字の根拠も書きます。
  5. やり切れるか 誰が担当するか、いつ何をするかのスケジュール、自己資金や借入の見込みを書きます。

持続化補助金の公募要領では、客観的なデータを使った市場や顧客ニーズの分析、営業方針、新規取引や値上げの見込みといった根拠とともに、売上高・売上総利益がどれだけ増えるかを計画に書く必要があるとされています。「頑張って売上を伸ばします」では、評価のしようがありません。

不採択になりやすい理由

審査項目の裏返しが、そのまま不採択の理由になります。公募要領に書かれていることから、特に多いものを挙げます。

要件や対象経費を読み違えている

対象にならない経費を中心に組んだ計画や、対象者の要件を満たしていない申請は、中身の評価の前に失格になります。すでに発注・契約した経費も対象になりません。持続化補助金のウェブサイト関連費のように、それだけでは申請できない経費もあります(詳しくは持続化補助金のページ)。

数字に根拠がない

売上の見込みが、なぜその数字になるのかが書かれていない計画は、実現性を評価できません。客単価×客数、既存のお客様からの引き合い、値上げの見込みなど、数字を積み上げた道筋を示します。

事業の規模と金額が合っていない

持続化補助金では「真に必要な金額が計上されているか」、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では「事業経費や補助対象経費が事業目的の達成のために真に必要かつ合理的な額か」が問われます。上限額に合わせて経費を膨らませた計画は、かえって評価を下げます。

事業者自身が考えた計画に見えない

持続化補助金の公募要領には、事業者自らが検討しているような記載が見られない場合、評価に関わらず不採択・交付決定取消となると書かれています。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金でも、第三者に過度に依存している事業ではないかが見られます。どこかで見たような一般論ではなく、自社の数字と言葉で書くことが大切です。

過去の補助事業と同じ中身になっている

過去に持続化補助金を使った事業者は、これまでの補助事業と異なる事業であることを申請画面に書きます。同じ事業と見受けられる場合は不採択となり、採択後に分かった場合も遡って取り消されます。過去の実施回数に応じた減点調整もあります。前回の補助事業の報告書(様式第14)を出していない場合は、そもそも申請できません。

同じ内容で、ほかの国の補助金にも出している

同じ事業者が同じ内容で、ほかの国の補助事業などにも申請している場合、重複しては採択されません。

加点は「取れるものを、正しく選ぶ」

加点は、政策的に後押ししたい取組をしている事業者に、審査で点を上乗せする仕組みです。加点の種類と条件は補助金ごとに違い、同じ補助金でも公募回によって変わります。

持続化補助金は2種類まで

持続化補助金では、加点が「重点政策加点」と「政策加点」に分かれていて、それぞれから1種類、合計2種類まで選べます。公募要領には、重点政策加点・政策加点のどちらかで2種類以上を選択した場合は加点審査の対象にならないと書かれています。同じ区分から2つ選ぶと、合計が2種類でも加点されません。多く選べば有利になるわけではありません。

政策加点には、たとえば経営力向上計画加点、事業承継加点(代表者が基準日時点で満60歳以上で、後継者候補が補助事業を中心になって行う場合)、事業継続力強化計画策定加点などがあります。重点政策加点には、くるみん・えるぼし加点などがあります。

認定は、締切の前に受けておく

経営力向上計画加点は、基準日までに認定を受けていることが条件で、認定申請中の事業者は対象になりません。事業継続力強化計画策定加点も、申請受付締切日までに認定を受けていて、実施期間が終わっていないことが条件です。加点のための認定は、公募が始まってから動いたのでは間に合わないことがあります。

賃上げの加点は、達成できる目標にする

持続化補助金で、賃金引上げの特例や加点を使って採択されたのに目標を達成できなかった場合、補助事業の終了時(実績報告の時点)で未達なら補助金は支払われません。1年後の報告(様式第14)で未達が報告されると、そこから18か月の間、中小企業庁が所管する補助金に申請するときに、正当な理由が認められない限り大幅に減点されます。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金でも、中小企業庁の補助金で賃上げの加点を受けて採択され、達成できなかった事業者は、未達の報告から18か月の間、正当な理由が認められない限り大幅に減点されます。加点のために無理な目標を立てると、あとで大きな不利になります。

不採択だったときの見直し方

持続化補助金では、採択審査結果の内容についての問い合わせには応じないとされています。なぜ落ちたかは、自分で審査項目に照らして見直すしかありません。見直すときは、次の順番で確かめます。

  1. 要件や対象経費に、読み違いがなかったか
  2. 審査項目の一つひとつに、計画書のどこで答えているか
  3. 売上や利益の見込みに、根拠となる数字が書いてあるか
  4. 経費の金額が、取組の中身に見合っているか
  5. 取れる加点を、条件どおりに準備できていたか

補助金の申請は、多くの場合、次の公募回でやり直せます。不採択になった計画書には、必ず理由があります。一度でうまくいかなくても、そこで終わりにしないでください。

よくあるご質問

事業計画書は、長く書いたほうが有利ですか?

長さそのものは評価されません。審査項目に一つずつ答えているか、数字に根拠があるかが大切です。図や表、写真を使って、読む人が短い時間で理解できるように書きます。

加点は、取れるだけ取ったほうがよいですか?

持続化補助金は、重点政策加点と政策加点からそれぞれ1種類までです。どちらかの区分で2種類以上を選ぶと、加点審査の対象外になります。賃上げの加点は、達成できないと減点や不交付につながります。取れるかどうかではなく、条件を確実に満たせるかどうかで選びます。

専門家に書いてもらった計画書は不利になりますか?

専門家の支援を受けること自体は問題ありません。ただし、事業者自身が検討していない計画は不採択の対象になり、持続化補助金では支援を受けた相手と金額を申請画面に書く必要があります。専門家に頼むときの注意点は、補助金の申請から入金までの流れの「専門家に頼むかどうか」にまとめています。

このページの内容は、小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>公募要領(第8版)と新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領にもとづいています。各補助金の詳しい内容は、小規模事業者持続化補助金と新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のページにまとめています。

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くまもと補助金申請サポート窓口(熊本/補助金/行政書士/ノーサイド行政書士法人/湯上裕盛)

熊本市のノーサイド行政書士法人は、経済産業省の認定経営革新等支援機関です。事業者の方のお話を伺い、決算書や見積をもとに、審査項目に沿った事業計画書づくりをお手伝いしています。不採択になった計画書の見直しのご相談も承っています。オンラインで全国からのご相談にも対応しています。

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