みなさんこんにちは、ノーサイド行政書士法人代表の湯上裕盛です。
この記事では、認定経営革新等支援機関で数多くの事業者をサポートしてきた私が、事業再構築補助金事務局が発表しているデータを基に大分県における事業再構築補助金の傾向と活用事例を紹介したいと思います。
大分県における事業再構築補助金の分析データ
都道府県別で見た時に、大分県の公募回数毎の応募件数、申請件数、採択件数は以下の通りです
応募件数は133~185件ほどで、採択件数は47~72件。
採択率に関しては低い時で25.41%、高い時で54.14%、平均は38.01%となっています。
応募件数は申請回ごとにばらつきがあり、採択率も開きがみられますが、直近に関しては、応募件数に比し、採択率は上がっている状況です。
【大分県版】事業計画の概要から見る日本標準産業分類別の採択事例
農業、林業
- 農業から小型陶器類の製造業を中心に小売業(観葉植物、多肉植物の栽培・販売、メダカの販売)を融合した新事業を展開。
建設業
- 大分県内にて注文住宅を手掛けてきた事業者が、新たな収益の柱として、自社および近隣の農家で生産したもち米で餅を製造。
- 既存事業でのITスキルを活かし、eスポーツ(ゲーム)教育を盛り込んだ就労継続支援B型事業を開始。
- 大分市に特化した建設工事業で培った地域との繋がりと、自社の保有する建物、調理師免許を持つ人材を活かし、「地域密着型&完全個室」居酒屋を展開。
- 既存事業である道路関連工事にて活用できる「車載型空圧式基礎杭打込機」をメーカーと共同開発し、特殊専門工事を高い技術力かつ、新工法を用いて効率化。
製造業
- CTP製版(印刷の原版)を自社で行うことが難しい小規模印刷業者に向けて、CTP出力サービスとしてCTP製版を行い、新たな販路を開拓。
- 既存事業のデザイン力を活かし、環境に優しい「バイオプラスチック」を原料としたスマホケースの製造・販売に取り組む。
- ガソリン車から電気自動車へシフトしていく中で、根幹となるパワー半導体及びインバーターの評価装置の製造へ事業展開。
- 真空凍結乾燥技術を用いた新製品開発により、低温保存が必要なゆず原料やわさび原料を常温化し、輸出を含めた販路を拡大を図る。
- 「北米向けスギ製材品」の生産要請にスポットで対応してきた事業者が、輸出の際の熱乾燥処理に関し、乾燥炉を有する業者に外注していた現況から、乾燥設備を新設して内製化を図った。
情報通信業
- 急速に進んだ小中学校のICT利用による教職員への支援不足に対応する為、小規模校でも利用できる遠隔支援体制を確立するとともに、社内で行っているサーバー管理をクラウド化することで効率化を図る。
- 電気自動車への移行にともない、日本製スポーツカーを訪日外国人向けにレンタルするビジネスを展開。
運輸、郵便業
- トラック輸送による輸送業者がモーダルシフトに対応した物流センターを新設。
- 既存事業の強みである重量物に特化した3PL事業へ新規事業展開を図る
卸売業、小売業
- リアル店舗とネットの融合によるシームレスで快適な購買体験を提供する事業を展開。
- 女性向け高級アパレル販売事業者が、予約制のカフェとクッキー専門店の営業を開始。
- 大分市内にて「京都伊三郎製ぱん」ブランドのパン屋を3店舗経営してきた事業者が、自動販売機によるパンの外販を実施
- 温泉観光地「別府」で、中国を中心としたインバウンド観光客に向け、シニア・高齢者にも対応したエステサロンを展開。
- フォーマルシューズ販売事業者が、中古家具を買取り、加工・メンテナンスして再商品化し、オンラインと店舗で販売するリユース事業を展開。
学術研究、専門・サービス業
- 急成長の無人販売市場において、電子決済に対応した非接触で買い物が可能な24時間営業の複合型無人販売所の運営ビジネスに新規参入し、早期収益化を図る。
- 別府温泉を活用した「地獄蒸し食材の開発」およびオールテイクアウト方式の「地獄蒸し料理を提供する新スタイルカフェ」を「地獄温泉ミュージアム」に新規併設。
宿泊業、飲食サービス業
- 従来の居酒屋スタイル店舗営業から、地元人気店のスイーツとのコラボ商品を取り入れた焼肉店営業へと事業転換。
- イタリアンバルの運営事業者が全卓にサワーサーバーとタッチパネルを完備し省人化した焼肉店の運営へ事業転換。
- 焼肉や冷麺等の豊富な種類のメニューを冷凍加工し、無人販売機による非対面方式にて販売。
- 昭和レトロな純喫茶を営業している事業者が、店舗の未使用個室を改修し、「高気圧酸素カプセル」を設置し、地元食材を使用した健康メニューの開発による健康増進カフェへと新 分野展開を図る。
生活関連サービス業、娯楽業
- 「従来の葬儀形式では会場に参列できない関係者に向けた新たなサービスとして、アバター会葬を活用し、実際に会場参列しているような感覚を提供する新サービスを開始。
サービス業(他に分類されないもの)
- 土地家屋調査士として測量、登記に関する強みを持つ事業者が、3次元測量による建屋内外調査事業を開始し、ICT施工の需要増に対応することで事業拡大を図る。
- 山間部の自社工場にて大型車両の整備・修理・車検を行っている事業者が、バイク需要に対応すべく、大分市内に展示販売場を設立し、新たな顧客獲得を図る。
- 対面指導が中心のトレーナー業から、スポーツ業界でニーズの高い動画制作事業およびサポート事業への新規事業展開を図る。
- 廃プラスチック・廃タイヤを油化により重油を製造する化学工業品製造業への新分野展開を行なう。
大分県の特徴
大分県は自社の強みをいかしての業容拡大を図る事業者が多く見受けられ、新規参入する事業に関しても、多種多様、多岐にわたっているのが特徴的です。
しかしながら、大分県は食べ物がおいしく山、海などの資源が豊富であることからも地域経済を活性化させることが出来る事業再構築は非常に採択率が高くポイントが高いと考えます。
また、別府や中津など全国から観光客が集まる名所も多いため今後さらなる発展や補助金の活用が予想されます。
もっと詳しく見てみたい場合は事業再構築補助金の採択結果からご覧ください↓↓↓
当社での採択事例(一部)
飲食店
テイクアウト
補助金額
1500万円
飲食店
加工品製造販売
補助金額
1700万円
飲食店
専門店オープン
補助金額
2000万円
娯楽業
スポーツフィッシング
補助金額
2000万円
美容室
脱毛サロン
補助金額(2件)
800万円
1000万円
不動産
トレーニングジム
補助金額
4000万円
製造業
新商品開発
補助金額
4000万円
建設業
ドローンスクール
補助金額
4000万円
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